ANOVA と低温調理と肉祭り

自分の誕生日プレゼントに ANOVA を購入

The Anova Precision Cooker from Anova Culinary はフランス製の低温調理器具です。分散分析 (analysis of variance) とは関係がありません。

低温調理法は、Cooking for Geeks ―料理の科学と実践レシピ においても真空調理法という名前で紹介されています。真空云々は食材をジップロックなどになるべく真空に近い形で密封して水槽に沈めることが由来の呼び名ですが真空であることはさほど重要ではなく、一定の低温でゆっくり均一に火を通すことがポイントです。

低温調理でジューシーな柔らかい肉料理を追求できる

ざっくり述べるとタンパク質には「ミオシン」と「アクチン」が含まれていて、「ミオシン」を熱で変性させると食感がよくなり、「アクチン」が熱で変性してしまうと水分が排出されてジューシーさを失い硬くなる、とのことです。

  • 肉のミオシンは 50℃ くらいで変性する
  • 肉のアクチンは 65.5℃ くらいで変性する
  • 魚はそれぞれもうちょっと低いらしい

食品衛生上の基準を満たしつつ「ミオシン」は変性させて「アクチン」は変性させない、という状態を狙いにいくのが肉をおいしく食べるための低温調理です。リスキーな境界面を狙いにいくことになるので、まな板などの調理器具や手指の殺菌は念入りに行ったほうがよいでしょう。

豚の肩ロース 400g を 63.5℃ で 5 時間

同時に、豚のヒレ肉もやりましたが写真を撮り忘れて普通に美味しくいただいてしまいました。まあ、そんな写真映えする見た目でもありませんでしたが...。

豚肉は牛肉などと比べると、細菌やら何やらのリスクを踏まえてよくよく加熱するのが当たり前の食材ですが、食品別の規格基準について |厚生労働省 の食肉製品によれば...

4.加熱食肉製品 加熱食肉製品は、次の規格に適合する方法で製造しなければならない。 a 製品は、その中心部の温度を 63°で 30 分間加熱する方法又はこれと同等以上の 効力を有する方法(魚肉を含む製品であって気密性のある容器包装に充てんした 後殺菌するものにあっては、その中心部の温度を 80°で 20 分間加熱する方法又は これと同等以上の効力を有する方法)により殺菌しなければならない。 0000071198.pdf より

とのことなので、63 ℃ 以上で中心部までしっかりやれば合法とする解釈が低温調理界(なんだろうそれ)で認められているようです。自分は、肉の外側も調理工程で菌が付着している可能性を考慮して、最後にフライパンで焼き付けます。


豚の肩ロースを低温調理してから表面をフライパンで焼き付けた後の様子


前述の肩ロースがぶつ切りにされた様子


バターたっぷりのポテトピュレとバルサミコ酢と合わせると非常にうまいのですが、ボリュームがありすぎてあっという間に人間がやられます。これがやられるということか......。

牛のモモ 400g を 55℃ で 2 時間

牛肉は豚肉と比べると肉の内部が細菌 etc で汚染されている心配をすることがほぼほぼなく、だからこそ牛のタタキとかレアのステーキとかが出回っているわけですが、とにかくそんな扱いです。

よってミオシンの変性を狙う 50-55 ℃ くらいで低温調理したのち、表面を高温で焼き付けて滅菌するスタイルが低温調理界でよく見られます。今回は 55 ℃でやりました。初心者なので時間も長めで念入りにやっていきます。もう少し低温で更なる長時間に挑んでもよいのかもしれないですが今後の課題にします。


牛モモは立派なローストビーフになりました


切り分けられたローストビーフの様子


外側を焼き付けた後に肉を休ませすぎたのか、想定よりも火が通ってしまった感があります。レアが好きなら素直に牛のタタキにすればいいのでは???という考えが頭をよぎりますが、たぶんそれが答えでした。

ANOVA の勇姿とその他出演者のみなさん

今回の主役である ANOVA さんの勇姿と、豚肉各位、調べれば調べるほどバターをガンガンぶち込めという教えにぶち当たるポテトピュレの製造工程です。以下、写真。


このような筒状のパッケージに入った状態で届きます


我が家で一番大きい鍋(圧力鍋)で豚肉をあたためるANOVAさん


今回出演した肉です


邪悪なポテトピュレの製造工程です


楽しい!!

非常に楽しかったのでまたやっていこうと思います。やっていき。

参考